入管業務について 技能実習生に忍び寄る「元技能実習生」
2019/12/05
先日、私が外部監査をしている技能実習生の監理団体の方からご相談がありました。
「以前にとある国の若者を技能実習生として受け入れたのだが、集団脱走をして入管に難民申請をして日本に留まり、申請して6ヶ月後に自由に日本で働いている輩がいる。そして同じ国のもの同士がSNSで繋がってネットワークを作っており、そこでまじめに技能実習に取り組んでいる者を唆そうとしてちょっかい出してくる」というのです。
「ユー、やっちゃいなよ」と言ったかどうかは存じませんが、「脱走しても難民申請したら大丈夫だから君もこっちに来なよ」ってな事を言ってくる様です。
確かに平成30年1月までは、入管は難民申請をして6ヶ月経過したら就労を許可していました。しかしこの人道主義に則った制度を悪用するケースが大変増えたために、我が国は180度方向転換をして、難民申請をしても就労は出来なくしたのです。当然28時間以内のアルバイト許可は下りません。
平成30年1月15日以前に技能実習の場から失踪して難民申請をしたものについては、誠に残念ながら法改正がされた後も就労は認められます。新たな法律は過去に遡及しないのが大原則だからです。
そして彼らは技能実習生に「大丈夫だから失踪しちゃえよ」と声をかけるのです。何が大丈夫なのでしょうか?全くわかりません。無責任に甘い言葉をかけてくる。
まさに悪魔の囁きです。
そんな言葉に騙されて失踪して難民申請をしたところで就労の許可はおりません。
異国でそんな身の上になってしまった者はどうやって生きていく術があるのか。
アウトローとなってしまうのか、身柄を拘束され国外退去となり、2度と日本の地を踏むことができなくなるのか…そこには悲劇しかありません。
ビザを獲得して日本に来ても、法律を侵してしまっては全ては無に帰するのです。
ここにアップしているのは日本語ですが、入管は同じ内容のものを、様々な言語で技能実習生に法律が変わってしまったことを呼びかけております。