お子さんがいない為に幾重も絡みついてくるしがらみを一気に断ち切る、遺言のチカラ
2018/02/08
以前に相続人の範囲について書きました。お子さんがいない場合は配偶者と①相続人の両親、②両親がいない場合は祖父祖母、③祖父祖母もいない場合はその兄弟姉妹、④その兄弟姉妹がすでに死亡していて子供がいる場合はその子供が相続人となるのですが、想像してみて下さい。兄弟姉妹とその子供が相続人となった場合のことを。一体どれだけの人達と話し合って相続をまとめなければならないのやら。
残された配偶者の方はハンコをもらうだけでも相当な労力が必要です。これに加えてそんなに付き合いがあったわけでもないのに「相続人なんだからそれ相応に貰えるもんはもらいますよ!」とか権利を主張された日には…。まとまるまでに相当な月日を要してしまいますよね。
そんな複雑な状況を一気にチャラにしてくれるのが「遺言」なんです。
前回、「遺留分」についてコラムを書きました。そうです、遺言で自分の相続分が全くなくなっても他の相続人に法定相続分の半分を請求できるという権利です。この遺留分なんですが実は「兄弟姉妹以外の相続人」に認められる権利なんですね。兄弟姉妹が相続人の場合は遺留分はありません。
つまり「全財産を配偶者に相続させる」という遺言を残しておけば、いくら兄弟姉妹からその子供まで相続人の裾野が広がっていたとしても、遺留分を主張されることなくスムーズに配偶者に全ての財産を残す事が出来るのです。
この遺言の効力、実に強力だと思いませんか?